039 部分入れ歯をブリッジへ | メタルフリー・ジルコニア冠・ブリッジ | 魚津市市 中央歯科医院
2024年11月18日
81才、女性です。
20年来、通院している方です。不都合な箇所を部分的に治療してきたものの、口腔内の状況は悪化の一途を辿る一方…
初診から4年が経ち(当時71才)ようやくオーラルリハビリテーション(咬合再建)の為の全顎治療を決意されました。
治療終了から8年経過した頃、下の前歯が1本ぐらつき食事をすると痛みが出るようになりました。
前歯がぐらつき始めた理由はいくつか考えられますが、主な理由は2つです。
①歯のならびに乱れがあった為、歯が列から外れたところに位置しており、不適切な力が長年掛かっていました。その不適切な力が局所的に歯周病を悪化させたようです。
②歯は常に咬み合わせの歯を求めて上に伸びる特性(挺出)があります。歯が上に伸びるということは歯槽骨から歯が出てくるとも言えます。
この方の場合、下の奥歯はインプラントなので位置は変化しませんが、それ以外のご自身の歯は変化し続けます。これにより咬み合わせのバランスが崩れると、今回のように歯がぐらついてきたり、上の入れ歯が不安定になり外れやすくなります。
抜歯後は一旦、部分入れ歯を入れました。
食事の不都合さは予想しておられたようですが、実際に使ってみると着脱が難しかったようです。
年齢的なものか、細かいものを口の中で操作することが辛い様子です。使用から1ヵ月が経過した頃、入れ歯の金具で舌が擦れたり、唇の粘膜を咬むことがあるとの相談があり、治療方針の見直しを行いました。年齢的なこともあり「大袈裟な事はせず、いいのにしてもらいたい」との希望がありました。
今後も②の問題が起こり続けることを考えると、残っている自身の歯8本を土台にブリッジをすることになりました。
治療前は「処置中にむせてしまうのではないか」や「時間の治療に耐えられるか」と不安そうでしたが、開始から4回の通院でスムーズに治療を終えることが出来ました。
天気の良い日は近所の自宅から自転車で来られる程元気な方です。
それでも自力で通院する限界を心配されているようで、年齢的にもこれで最後の治療チャンスと考えておられたようです。
元気なうちに不安のない状態にまで治療を行うことができ、我々もひと安心です。
治療期間 1ヵ月半
治療費用 ¥1,150,000(税抜)