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「舌房」が狭いのは「絶望」

2017年09月15日

 

「歯ならびと舌が合ってないから辛い…」。

これは上の写真の30代の女性が言った一言。

過去に矯正治療によって人工的に作られた歯列と、舌との調和がとれておらず「苦しい」と言います。

実は彼女、元歯科衛生士であるからこそこの事実に気づくことが出来たと感じます。なぜなら、このような不調和から心身の健康を損なう方が多くいることを日々の診療を通し、目の当たりにしているからです。

 

人工的にただ並べられた窮屈な歯列により獲得した狭い空間に、自力で歯を並べることが出来なかった低筋力の舌が閉じ込められる結果、常に舌の側面には歯の圧痕がつきます。

それだけでなく、口の中で特に舌を収める「舌房(ぜつぼう)」や「ベロの部屋」と呼ばれる空間が狭くなると、居心地の悪い舌は逃げるように気道方向へ落ちていき、常に酸素不足の状態に至ります。

ひどい場合は睡眠障害を起こし、朝起きられない、偏頭痛、あくび連発、だるいなどの症状や不定愁訴に悩まされることになるのです。また、ベロの圧痕が舌の潰瘍や癌の原因になることも…。

 

実は、私自身も20年前に4本抜歯して矯正治療を行い、彼女と同じような状態に現在もあるため、その苦しさ、辛さ…よくわかります。

その経験があるからこそ、患者さんには自分と同じ思いをしてほしくないと、すべての歯科治療において「舌房」への配慮は欠かせません。

 

そして矯正治療においては、将来、起こりうる問題が見えてきた時点で早めに向き合い、解決へと導きたいと考えております。

 

“ただ歯が並べばいい”という安易な治療ではなく、“いかに健康的な咬合を獲得し、その状態を維持できるお口を育てる”か、治療を通して共に考えませんか?

 

院長 島田 実

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儲けの前に正しい治療

2017年09月11日

 

先達て、オーストラリアのDr. Chris Farrellによって考案された「MRC筋機能矯正システム」のセミナーに出席しました。

このシステムは、不正咬合の原因を治療する為の筋機能装置(マウスピースなど)を使用して、歯並び・咬み合わせを改善するものです。

 

不正咬合の原因となる口腔習癖(舌癖、口呼吸など)を改善することで、子ども自身が良い歯並び・咬み合わせを作る過程を見守り、必要な治療をします。その結果、呼吸を改善することで、健康面においても大きなメリットがあります。

 

当セミナーには、全国から多くの医師、歯科衛生士が受講され、関心の高さがうかがえました。

ただ、ある医師達の残念な会話を耳にしてしまいました。

 

「良い治療だけど、歯科医師としては儲からない」と。

 

確かに、この治療は筋機能装置と舌・口唇や頬の正しい筋肉の使い方の習得(MFT)で健全な顔貌の発育、良好な歯並び・咬み合わせが容易に獲得することが出来ます。

従来の複雑な金具の器具を用いた、いわば器具主導の矯正治療に比べ、本来の原因にアプローチすることで、安定した結果が得られます。適切な時期に治療を開始することで、永久歯の抜歯の必要もなく、これはつまり、結果を得るまでも得てからも歯科医の介入が最小限であることを意味しています。

 

結果、儲からないと…。

この発言は、ただの経営者としては間違いでは無いが、歯科医師として「儲けの前に、正しい治療」。

これが、責務であると考えます。

 

院長 島田 実

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掌蹠膿疱症

2017年08月2日

 

皮膚に何らかの症状があれば、誰もが皮膚病とみなし、疑わず「皮膚科」で診察してもらうことでしょう。

ただ、そうではない病気もあります。

 

それは、手のひらや足の裏に小さな水ぶくれが次々とでき、痛みや痒みを伴う慢性の皮膚疾患「掌蹠膿疱症」です。某芸能人の方がこの病に悩まされ、各科の病院を回り、治療に苦労された話は有名です。

実際は、皮膚科、内科だけでは治らないのです。

 

この病の原因が「歯科用金属」であると言われています。

実際、当院でも同症状に悩んでおられる患者に対し、治療を行い、皮膚の症状が治ったという症例が複数あります。

 

治療方法は簡単です。

 

口の中にある金属を全て外し、身体の中に蓄積された重金属を解毒する為、漢方薬の大黄(だいおう)の服用かアルコールの摂取を促します。体内から金属成分を取り除くようご自身で取り組んで頂き、変化には2カ月から半年程度の時間が必要です。

 

目の前で起こっている問題の原因は何か、正しく診断し、正しく治療を判断することが「歯科治療」だけなく、「医療」全般に求められていると感じます。

 

院長 島田 実

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医原性疾患

2017年06月12日

 

近頃、既に手がつけられない状態にある患者に多く出逢います。

治療が出来ないわけではありません。

患者を救う自信はありますし、方法もわかっています。

ただ、悲しいことに私たちの元を訪れた今、既に患者は繰り返しの治療で疲れ果て、お口の中だけでなく心も身体もボロボロ…自身に本当に必要な正しい治療を判断することさえ出来なくなっているのです。

 

― 医原性疾患 ―

 

治療が次の治療を産む。最悪の負のスパイラルです。

歯の治療においては、一回一回の安易の治療の積み重ねが招く悲劇とも言えます。

その安易な治療とは「治療」とは程遠く、現実は「問題の先送り」に過ぎないのです。

 

「かかりつけの歯科医院」をもつことは大事です。

しかし、以下のように感じているならこれまでの治療を根本的に見直すべきかもしれません。

 

3年通っても健康になっている実感がなく、

5年通っても1年以上治療しない期間がない。

10年通ってみたら自分の歯の本数がどんどん減っていく…。

 

「歯」それはあなたの身体の大事な一部です。

どうか今、自分のお口の中にある問題に真剣に向き合って下さい。

 

最後に、私たちは「患者にとって、利益になる治療しかしません」、

「患者にとって、不利益になる治療はしません」。

今後も、この言葉を胸に刻み、患者と向き合います。

 

院長 島田 実

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見えないものを見て治療する時代へ

2017年06月5日

 

5月の中旬より手術用顕微鏡を用いた診療を導入しております。

 

当院が導入したのは、カールツァイスメディテック社「歯科手術用マイクロスコープ」です。

導入するにあたり、ドイツの本社、カールツァイス社が認める世界トップクラスの医師である山梨県の秋山歯科医院:秋山勝彦先生の研修に参加しました。

 

秋山先生は、ある日突然、病院の入口に「普通の歯医者を辞めました」と張り紙をされ、保険診療を一切辞めたそうです。本当にすべき治療を追求した結果の決断です。

当初は、患者数が激減し、色々と大変だったようですが、現在は歯科界で知らない人はいない程の名医として知られています。秋山先生が行う「マイクロスコープ(顕微鏡)」治療技術は肉眼では見えない病巣を取り除き、完治に向かわせることが出来ます。

 

当院ではまだ導入して日が浅いので、使いこなしていると自慢出来る状況には至りませんが、顕微鏡を覗いて映し出される世界は驚きの連続です。これまで気づかなかった多くのことを指摘し、教えてくれているようで、これまで以上に1本1本の歯を丁寧に治療しなければと身が引き締まる思いです。

 

院長 島田 実

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“街”も“考え方”もクリーンスタイル!

2017年05月12日


前回からの続きでスイス「バーゼル」のお話です。今回は、散策編を紹介します。

 

「バーゼル」は、スイス、フランス、ドイツの国境に接するライン川沿いのところで、簡単に三国を制覇することできます♪ 緯度の関係で、夜8時まで明るい街中には14世紀に建造された市庁舎など歴史的な建造物が建ち並び、富山市のセントラムのような路面電車が走っていました。何か不思議な感覚を持ったことを記憶しています。

 

今回のスイスでの滞在を通し、日本とは違う独特の風土を感じることが多々ありました。その中でも最も感じたのは“時間に追われず、一人ひとりがバランス良く生活している”ことです。

 

日本では考えらえませんが、スイスの鉄道には改札がありません。

この画期的な方法により、あまり混まないようですし、設備投資も要りません。

切符を買ってそのまま車両に乗り、車内で車掌が検札するシステムです。中には、無検札車両もあるようですが、抜き打ちチェックがあり、有効な切符やパスが無ければ、高額な罰金を支払うことになるようです。

結果、車のいらないクリーンな社会を実現しているようで、そのせいか「空気の良さ」は強く実感しました。

 

また、芸術・文化の街とも言われ、たくさんの美術館や博物館がありました。

そこにはお年寄りが多く、ステキな“おばあちゃん”がいっぱい。昼間から館内のカフェでワイン片手に上機嫌です。日本ではあまり目にしない光景に憧れすら感じます。

 

最後は、ヨーロッパ圏のお休み事情。

スイスでは、店舗の場合「日曜、祝日」、会社の場合「土・日曜、祝日」は営業しないのです。言い換えれば“働かない”ということ。「ワークライフバランス」が確立した社会は、オンとオフの切り替えが明確で心地よいバランスを常に意識した取り組みは今の私たちが学ぶべきところが多いと感じ、大変勉強になりました。

 

院長 島田 実

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スイスの「ストローマン社」へ

2017年05月10日

 

今年のゴールデンウィークはInternational Team for Implantology(ITI)パートナー企業の日本法人ストローマン・ジャパンの設立10周年を記念し、スイスのバーゼルで開催される「ITIワールドシンポジウム2017」に参加して参りました。

 

― 初めての工場見学 ―

 

5/2~8の1週間、ストローマン社の工場見学、講演会など、インプラントについてじっくりと学ぶカリキュラムです。

今回のメインは、インプラントの製造工場の見学です。

歯科医になり25年。今やインプラントなくして歯科治療は成立しないと考える程、インプラントの重要性を深く認識していますが、その製造過程を見たことはありませんでした。

工場に入るなり、ツーンとした油の匂いがします。意外でした。

インプラントの原料である「チタン」、特に見学したストローマンが特許を持つ「チタン」と「ジルコニア」を混合した特別な金属「ロキソリッド(チタンジルコニウム)」は非常に堅い材料です。

その堅い金属の塊を削り出し、インプラントは作られます。その削合の工程にオイルが必要なのです。

 

油の匂いこそするものの、工場内はどこも綺麗!

清掃の徹底ぶりは素晴らしく、安心しました。某メーカーでは薄汚い一室で数人のスタッフがひとつの机に向かい内職のようにインプラントを作ると聞いていましたから…。

 

全ての工程はセキュリティ上、見せてはもらえませんが、随所でクオリティーの高さは実感できました。

さらに、形になったものは、再度分析機にかけられ10本に1本は欠陥品として省かれる。

製品管理も徹底されています。さすが世界シェアトップです。

 

― なぜ、ストローマンを選ぶ ―

 

今回、ご一緒した先生のインプラントにまつわるエピソードを紹介します。

参加者の中に、工学部出身の歯科医師がいました。その先生は数あるインプラントメーカーの中から、自分が使うメーカーを選ぶ際、顕微鏡でその表面性状を観察したそうです。

すると、インプラントのネックという被せ物との接合部にあたり、術後口腔内にさらされる部分の鏡面加工の素晴らしさに感激し、「ストローマン」を選んだと言います。美しく鏡のように表面が加工されることで、表面に細菌が定着することはなく、細菌感染による治療予後不良のリスクを減らします。

メーカー選びに顕微鏡が登場するとは私には無い発想なだけに驚きです。工学部らしい考え方ですね。

 

ちなみに、私がインプラントのメーカーとして「ストローマン」を選んだ理由。

勤務医の時代には他にも様々なメーカーのインプラントを取り扱いました。開業し、自身の医院で長くお付き合いすることになる自分の患者さんにどのインプラントが良いのだろうと色々と考えはしましたが、恥ずかしながら実は直感的に「ストローマン」を選んだのもあります。

今となれば本当にこのメーカーを選んでよかったと心から思い、その想いを確たるものへと立証するような旅になりました。

 

院長 島田 実

 

 

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歯医者は物売りではない

2017年04月12日

 

私たちは患者に「矯正器具」を売っているわけではありません。

同様に「被せ物」や「詰め物」「入れ歯」「インプラント」をセールスしているわけでもありません。

あくまでお口の中や全身の健康を手に入れる為に必要な“モノ”であると言ってもよいでしょう。

 

歯科治療を行う患者と歯科医師は「これください」「はいどうぞ」という関係ではなく、間違いなく“医療行為”であるという認識を持ってほしいのです。

 

―歯医者は、物売りであってはいけない―

 

当院では、患者がより良いゴールに迎えるようどのような治療が必要で治療中どのようにアプローチすべきか、医院全体で話し合っています。

 

―流れ作業のような歯科治療はしません―

 

患者にとって不利益なことはしません。

患者にとって今、何が必要なのか…医院全体で真剣に考え抜いた上で患者の前に立ち、話をしています。患者が自身の口腔内について理解を深め、納得の上、共に歩んでいきたいと考えます。

 

院長 島田 実

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矯正治療の為の抜歯は犯罪!?

2017年04月10日

 

先日、矯正治療の勉強会で「あいうべ体操*1」考案者である内科医・東洋医学会漢方専門医の今井一彰先生の基調講演を視聴し、感銘を受けました。

 

今井先生のお話では、病気を抱えている方の過半数は「口呼吸」であるとのことでした。

 

―「口呼吸」が「病気」の原因 ―

 

そして、この口呼吸の原因を作っているのは、他ならない、歯医者であるということを指摘されたのです。

それは、矯正治療に為に「4番の第一小臼歯を上下左右4本」を抜歯することです。

さらに、この行為は「犯罪だ」とも仰っていました。

過激な発言に思うでしょうが、実際、一人の人生を台無しにしてしまう行為なのです。

 

4本抜歯をして矯正治療をすると、少ない歯の本数で歯を並べる為、歯のアーチが狭くなり、「ベロの部屋」(舌房)が狭くなります。

すると、ベロは奥の気道の方に落ちてゆき、酸素の取り込み量が少なくなります。呼吸の質が悪くなると身体は必死に酸素を取り込もうとし、結果、「口呼吸」になるのです。

 

呼吸の質が悪くなると、脳への酸素量も減り、いつもボーッとしていたり、あくびばかりしているなどの無気力状態の子供になったり、多動や不登校、学力の低下を招く恐れがあるとの見解もあるようです。

 

私自身も過去に矯正治療をする為にこの4本を抜歯しました。

舌房が狭く、苦しく思うことがあります。自ら経験している以上、患者さんにはこの辛い思いをしてほしくないという強い思いがあり、矯正治療において適正な舌房の確保への配慮は怠りません。

(当院の治療では、成人について止むを得ない場合のみ抜歯をし、子供の場合は早いうちに治療を開始することで抜かざるを得ない状況になることを回避するよう治療を進めております。)

 

私は子供にとっての矯正治療は“健全な発育の手助け”と考えます。

どうか矯正治療の目的は何かを今一度よく考え、お子さんにとってよりよい選択をしましょう。

 

*1:「あいうべ体操」は、 口呼吸を鼻呼吸へと改善させるためのトレーニング方法。多くの病を改善する健康法で、インフルエンザ、口臭予防、小顔、美顔、歯並びの改善効果があります。

 

院長 島田 実

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「出っ歯」

2017年04月5日

 

「出っ歯」をネタに笑いをとるお笑い芸人を見て、他人事のように笑っていませんか?

実は上の前歯が年々出てくるというのは誰にでも起こりうることです。

少し人の口元に意識して街を歩くと、前歯が出て口が閉じられなくなっているような人もたくさんいます。

 

ではなぜ、前歯が出るのでしょう。

 

歯科における咬合学では、その原因ははっきりしています。

なんらかの理由で奥歯が「低くなる」と、前歯が強く当たるようになり「出てくる」のです。

 

― 奥歯を高く ―

 

「出っ歯」を治す為には、奥歯の咬み合わせが低くなった箇所を解決し、

本来の適正な高さへと回復させます。

出ている前歯を治療する前に奥歯の治療する必要があります。

 

奥歯が低くなる原因として加齢に伴う歯の磨り減りもありますが、

問題を加速させる要因として不適切な歯科治療が考えられます。

「そこだけ・治療」では、何も解決しません。

 

不適切な噛み合わせの問題を先送りした結果が「出っ歯」なのです。

 

院長 島田 実

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初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えているお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私達にお話ししていただけたらと思います。 ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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