メンテナンスの目的とは
2023年10月18日
メンテナンスって何でしょう…皆さん考えたことありますか?
メンテンスの意味や「なぜメンテンスが必要なのか」目的を考えたことはありますか?
私は10年ぶりに来院した患者さんの口腔内を診て衝撃を受けました。
20年前に初めて当院にお見えになった60代の男性。
完璧な治療ではないものの、1~2年おきに最低限の手当を施しながら何とか「咬める」状態を保っていました。
本人の都合で「近くの歯医者でメンテナンスを受けていました」とのことですが、かかりつけ医では対応しきれず再度当院への受診を促されたそうです。
10年の間に5本抜歯をし、1本のみインプラントを追加。
4本抜髄(神経を取る)を行い、上の前歯は欠けたり、グラグラしている状態でした。
現状に至るのはかかりつけ医と本人の合意の元…とはいえ、結果「咬めない」上にお手上げ状態となれば患者は混乱します。
患者が考える「メンテナンス」とかかりつけ医が考える「メンテナンス」の目的は一致していたのでしょうか?
「メンテナンス」を辞書で調べると「維持。保守。管理。」と書いてあります。
「維持」とは物事を現在の状態のままに持続すること。もちこたえること。
「保守」とは正常な状態を保ち、それが損じないようにすること。
「管理」とはものの状態、性質などが変わらないよう保ち続けること。
当院は患者に対し、時に厳しく指導をすることがあります。
それは、歯やインプラントが置かれる過酷な環境の中で現状を「守る」ことはとても大変なことだからです。
考え方によっては治療を行うことより治療後の状態を「守る」つまりメンテンスをすることの方が難しいことと言えるでしょう。
私はよく治療を終えた患者に「ここからがスタートですよ」と話します。
病的な状態を抜け出し、健康な状態になってからが「本当のスタート」です。
あなたはどのような目的でメンテナンスを受けていますか?
あなたがメンテナンスをお願いするドクターはあなたと同じゴールを目指していますか?
私は患者を当院に縛りつけるつもりはありません。
ただ、もう救いようがない深刻な状態になって再来院…が心配なのです。
メンテンスの目的をかかりつけ医と共に確認しながら口腔ケアを行いましょう。