スポーツドリンクのホントの話。
2021年08月12日
近頃のスポーツキッズは、私が小さい頃とは違い、幼少期から熱心に取り組む様子に羨ましく思うこともあれば、心配に思うこともあります。
特に心配に感じるのは食事事情です。
熱中症予防の目的も兼ねた「水分補給」やパフォーマンス力を高めるための「捕食」などはスポーツキッズにとっては当然のことのようですが、本当に必要なものは何か?今一度考えて頂きたいところです。
最も心配なのは「スポーツドリンク」です。
500㎖中に約30g(角砂糖8個分)の糖分が含まれていることをご存じですか?
世界保健機関WHOが推奨する1日の砂糖摂取量は25gですからペットボトル1本で超えてしまいます。
栄養成分表示の「炭水化物」のg数が、ほぼ砂糖の量です。よく飲む方は一度チェックしてみることをお勧めします。
糖以外にもスポーツドリンクに酸や電解質が含まれます。
虫歯のリスクという点では糖だけでなく「酸」の影響も懸念されます。
「酸」が入っていることでスポーツドリンクの酸性度は高く、歯の表面のエナメル質が溶け始めるPH(臨界PH)5.5を下回るPH3.5です。
更にスポーツ中は口呼吸でお口の中が乾燥しやすい為、唾液の作用が働きにくく、その中での頻回なスポーツドリンクの摂取は虫歯のリスクが最も高いと言えるでしょう。
とはいえ、スポーツ中の水分やミネラル、エネルギーの補給は必須です。
出来る対策としては、まずスポーツドリンクはスポーツ中だけと決めたいものです。
日常的に飲むのは歯にとっても身体にとってもかえって害になりかねません。速やかに水分やエネルギーを補給したい場合にのみ摂取しましょう。
それから、飲んだ後に水やお茶で口をゆすぐなども良いでしょう。
スポーツマンの口元はやはりキラリと光る白い歯が良く似合います。
必要なものは何か?どんな目的でこの飲み物や食べ物を口にするのか?親子でよく考えてみましょう。
院長 島田 実