困っています
2021年04月27日
近頃、矯正治療の経験があるにも関わらず、とてもそうとは思えない状態の患者に悩まされています。
そうとは思えない状態とは…?
其々の歯の形状が異なることには意味があり、其々に任される働きが違います。1本1本が本来すべき働きをすることがその歯もそれ以外も守ることになります。その為には矯正治療により歯並びを整えると同時に咬み合わせの正常化が必要です。
つまり「自分の歯の健康を維持したい」「歯をなるべく抜きたくない」と考えるなら、不正咬合の問題は早めに解決した方がよいでしょう。なぜなら、矯正治療の結果、審美性「美しい口元」と機能性「健康維持しやすい咬み合わせ」の獲得という2つの目的が達成します。
この2つの目的が達成していないことが「矯正治療したとは思えない状態」です。
私達が困るのは、特に機能的な問題が解決していない場合です。
矯正治療後、虫歯や補綴治療(被せ物や詰め物を入れること)を当院で行いたいとの希望があっても治療の前提条件がクリアしていない状態では手が付けられません。
取り散らかった本をきれいに使いやすく整理整頓することが矯正治療だと考えると、未整理の状態の本を収める本棚のオーダーをされても作り手は困ります。
とはいえ、歯の位置は口腔周囲筋肉の影響を受け、変わりゆくものです。
治療後の変化があることを前提として考えても矯正治療を終えた後、次の治療に困らない状態には整えておきたいものです。
その為には矯正治療を主治医との合意点まで行うこと、治療を終える前に治療の目的が果たされているのか主治医と共に再確認することが重要であると考えます。
院長 島田 実