説明と理解
2018年08月29日
私共の医院を初めて受信された方の意見を目にする機会がありました。
初診時に治療をしなかった事を不満に感じているような内容でした。
こちらの説明が十分伝わっていなかった事が原因だと感じます。
初診時に敢えて治療しない事の意義が理解して頂けなかったようです。
例えば、腹部に腫瘍が見つかり、摘出の必要があるとします。
おそらく、説明を受けたその日に腹部を切ることはないでしょうし、その説明を受けるまでにも、何度も検査の為に病院に足を運ぶ必要がないでしょう。身体の事であれば、当日処置をしない事を受け入れられるのに、歯の事となると受け入れられないのは何故でしょう。
多くの歯科医院が安易に治療しすぎる歯科医側と、歯科治療を軽んじている患者側と両方に問題があるように思います。
歯科治療においても、身体の治療においても、やり直しがきかないことが多く、治療の考え方、治療の方法も様々です。その為、初診時は、応急処置に絡め問題に至った原因と対策、治療方法を提案するための検査を行います。その問題とは「歯が抜けた」等の重大な内容はもちろん、「つめものがとれた」といった一見、簡単な問題であっても同じです。お互いに無駄が多い、安易で無意味な治療をはすべきではないと考えるからです。また、これまで受けてこられた歯科治療と、私共の治療の考え方が大きく異なる場合、十分理解した上で治療して頂きたいという思いから、慎重な判断をお願いすることがあります。
治療痕を見れば、これまでどのように歯科治療と向き合ってこられたかは一目瞭然です。まず、治療を進める前に説明の機会や時間を確保し、十分な理解の上、治療の意志を確認出来るまでやり直しがきかない治療は行いません。
なるべく、このような誤解がないよう、医院全体で定期的にカンファレンスを行い、患者さんの立場を考えた上での対応を検討しておりますが、今回のような意見を踏まえ、一人ひとりの患者さんが納得し、安心して治療が受けられるよう、今後より一層の十分な説明を徹底して参ります。
院長 島田 実