後悔しない航海を…
2018年06月12日
あなたはどんな歯科治療を受けたいですか?
医療従事者間でこんな話題になると、決まって出てくるワードが「患者に寄り添った治療」です。
「患者に寄り添う」とは、耳障りの良い表現ではありますが、一歩間違うと「患者の言う通りに進める」ということにもなりかねません。このような点から私は「患者に寄り添った治療」が必ずしも良いとは思いません。
ご存じのように近年「貧困歯科医」「コンビニより多い歯科医院」などの表現が社会に流布することで患者が変わったのか、歯科医師が変わったのか…何か互いの顔色を伺うような治療を受け続けている患者が多いように思います。
歯の治療は家づくりに似ています。
「自分の望む家を作るには、3棟建てる必要がある」というように、数十年後の生活を俯瞰で想像し、素人が理想的な設計をすることは難しく、結局、設計士の提案が最も的確だったという話はよくある展開のようです。
歯科治療を「家づくり」に例えるなら歯科医師は「設計士」のような存在であるべきであると考えます。
また、人生における歯科治療の在り方を「航海」に例えるなら歯科医師は「キャプテン」のような存在であるべきであると考えます。
「設計士」であれ「キャプテン」であれ、今後起こりうるあらゆる状況を想定し、都度的確な判断が求められる存在です。
信頼するキャプテンに縋ったものの気付くと共に沈没しているか、安心して大海原を航海し続け人生を謳歌するか、患者であるあなた自身の判断が今後の人生を大きく変えると自覚しましょう。
院長 島田 実