「歯科用滅菌器」バカ売れの理由
2018年03月20日
2018年02月6日の当ブログ記事「歯科外来診療環境体制加算」内で紹介しました加算の基準である洗浄・滅菌処理で使用される滅菌器のことについてふれてみます。
加算制度の改定や、行政の抜き打ち調査などにより、駆け込み寺のように滅菌器メーカーに問い合わせや注文が殺到しているそうです。
と、なりますと? 非常に怖いことに気づきませんか??
今、このタイミングで慌てて導入する医院の多くはおそらく、これまで治療器具の徹底した滅菌が出来ていなかったと思われます…「基準が出来たから滅菌する」といったところでしょう。
基準と言っても特別な内容ではなく、自分自身や自分の家族に治療するならと考えれば誰しもが気付くような事だけに残念でなりません…。
例えば、歯科治療に多用されるエアタービンは停止時、口の中の空気や唾液、血液を吸い込みます。その状態で、滅菌せずに次の方のお口の中で使用を開始すると前の患者の唾液や血液が噴射されます。
恐ろしいことです。
歯科医師の立場として言い訳を考えれば、治療器具が滅菌すればするほど劣化は早くなりますし、それに伴った人件費、材料費など「しない理由」も思いつきます。
ただ、歯科医師として以前に人として「正しい」ことは何か。
良心を持って考えれば、今回の基準が出来ても“歯科用滅菌器がバカ売れ”なんてことは起こりえないと考えます。
患者も歯科医師も、もっと一人ひとりが真剣に歯科治療に向かうべきであると強く感じます。
院長 島田 実