儲けの前に正しい治療
2017年09月11日
先達て、オーストラリアのDr. Chris Farrellによって考案された「MRC筋機能矯正システム」のセミナーに出席しました。
このシステムは、不正咬合の原因を治療する為の筋機能装置(マウスピースなど)を使用して、歯並び・咬み合わせを改善するものです。
不正咬合の原因となる口腔習癖(舌癖、口呼吸など)を改善することで、子ども自身が良い歯並び・咬み合わせを作る過程を見守り、必要な治療をします。その結果、呼吸を改善することで、健康面においても大きなメリットがあります。
当セミナーには、全国から多くの医師、歯科衛生士が受講され、関心の高さがうかがえました。
ただ、ある医師達の残念な会話を耳にしてしまいました。
「良い治療だけど、歯科医師としては儲からない」と。
確かに、この治療は筋機能装置と舌・口唇や頬の正しい筋肉の使い方の習得(MFT)で健全な顔貌の発育、良好な歯並び・咬み合わせが容易に獲得することが出来ます。
従来の複雑な金具の器具を用いた、いわば器具主導の矯正治療に比べ、本来の原因にアプローチすることで、安定した結果が得られます。適切な時期に治療を開始することで、永久歯の抜歯の必要もなく、これはつまり、結果を得るまでも得てからも歯科医の介入が最小限であることを意味しています。
結果、儲からないと…。
この発言は、ただの経営者としては間違いでは無いが、歯科医師として「儲けの前に、正しい治療」。
これが、責務であると考えます。
院長 島田 実