矯正治療の為の抜歯は犯罪!?
2017年04月10日
先日、矯正治療の勉強会で「あいうべ体操*1」考案者である内科医・東洋医学会漢方専門医の今井一彰先生の基調講演を視聴し、感銘を受けました。
今井先生のお話では、病気を抱えている方の過半数は「口呼吸」であるとのことでした。
―「口呼吸」が「病気」の原因 ―
そして、この口呼吸の原因を作っているのは、他ならない、歯医者であるということを指摘されたのです。
それは、矯正治療に為に「4番の第一小臼歯を上下左右4本」を抜歯することです。
さらに、この行為は「犯罪だ」とも仰っていました。
過激な発言に思うでしょうが、実際、一人の人生を台無しにしてしまう行為なのです。
4本抜歯をして矯正治療をすると、少ない歯の本数で歯を並べる為、歯のアーチが狭くなり、「ベロの部屋」(舌房)が狭くなります。
すると、ベロは奥の気道の方に落ちてゆき、酸素の取り込み量が少なくなります。呼吸の質が悪くなると身体は必死に酸素を取り込もうとし、結果、「口呼吸」になるのです。
呼吸の質が悪くなると、脳への酸素量も減り、いつもボーッとしていたり、あくびばかりしているなどの無気力状態の子供になったり、多動や不登校、学力の低下を招く恐れがあるとの見解もあるようです。
私自身も過去に矯正治療をする為にこの4本を抜歯しました。
舌房が狭く、苦しく思うことがあります。自ら経験している以上、患者さんにはこの辛い思いをしてほしくないという強い思いがあり、矯正治療において適正な舌房の確保への配慮は怠りません。
(当院の治療では、成人について止むを得ない場合のみ抜歯をし、子供の場合は早いうちに治療を開始することで抜かざるを得ない状況になることを回避するよう治療を進めております。)
私は子供にとっての矯正治療は“健全な発育の手助け”と考えます。
どうか矯正治療の目的は何かを今一度よく考え、お子さんにとってよりよい選択をしましょう。
*1:「あいうべ体操」は、 口呼吸を鼻呼吸へと改善させるためのトレーニング方法。多くの病を改善する健康法で、インフルエンザ、口臭予防、小顔、美顔、歯並びの改善効果があります。
院長 島田 実