知らずに元凶になる「親不知」
2017年02月20日
「親不知」の抜歯は、当院では16歳で抜歯することを勧めています。
特に下の親不知は歯並びや噛み合わせに与える影響も大きいので早めの抜歯を勧めています。
一方、上の親不知については、抜歯を急ぐようなことはあまりお話してきませんでしたし、先日、私自身もようやく上の親不知を抜歯しました。
しかし、今回の抜歯で上の親不知も可能な限り早く抜歯すべきと強く感じました。なぜなら、前から8番目の親不知を抜歯することで、その手前の7番目の歯が常に親不知から受けていたストレスから解放されフリーになることで咬み合わせた時の感触が大きく変化したことに気づいたからです。
咬む力を受け止める歯根膜という歯と歯が植わる骨との間に存在する繊維が抜歯することで本来の機能(歯のクッション)を取り戻し、それまでどれだけ制限されていたかということに気づかされたのです。
さらに、もう一つ。ベロの部屋[舌房(ぜつぼう)]が今までとは違い、収まりが良いのです。舌房が広くなることは全身への好影響が期待出来ます。
意図のある、親不知の抜歯(=無駄の歯を抜く)は、子知らずはまだしも、親が知らないのは大問題です。早めに行い、後々のハイリスクを防ぐことに努めましょう。
院長 島田 実
ページを見る
奨学金を貸してもらえない!?
2017年02月13日
昨今、諸事情により奨学金の返納が滞るケースが増えています。
常識的には奨学金制度には就職して返納する義務があります。
ではなぜ? そのようなことに?
学費の高騰や雇用の悪化、奨学金の自己破産などがあげられるようです。
就職面では、ミスマッチによる離職、希望難による無職など、就職できない状況が増加傾向にあるようです。就職希望者と企業側との能力や価値観の相違によるものでしょう。また、就職、働くことへの意欲の低下なども考えられるようです。
であれば、“奨学金を貸すのも親切、貸さないのも親切”となるのでは。
この事は何も奨学金だけの話ではないと私は考えます。
歯科治療も同じです。
長期的に考え不適切な目先の治療、やらなくていい治療をすることは、歯科医師としてある意味不親切であり、迷惑なことと言えます。
仮に長期的には不本意な治療が必要になった場合は敢えて最小限にとどめるようにして、次のステップや将来の対応に配慮した上で治療を検討すべきであると考えます。
歯科治療するも親切、しないのも親切。
院長 島田 実
ページを見る
偽りの世界・ 嘘の世界
2017年02月12日
先日、ある歯科系専門雑誌を購入しました。
衛生士を目指す学生さんのや歯科衛生士にとってバイブルといわれている業界では有名な雑誌です。
購入のキッカケになった記事の他にも久しぶりに手に取った雑誌を衛生士と共に懐かしい思いで読み進めます。そして驚愕…
特集されていた記事は「なるべく歯を抜かない」というただ患者の顔色を窺い続けたような症例集。30年前の治療方法です。「なるべく歯を抜かない」とは耳障りは良いものの、その選択をし続けた結果、失うものもあります。
「骨」です。
骨を失うと最終的には入れ歯をインプラントも上手くいかず、抜歯後の治療に未来はありません。
歯科医師によりそれぞれの考えがあることは否定しません。
ただ、このような特集を若きこれからの歯科衛生士が読み何を感じるのか…もっと正しい歯科業界の「今」を知ってほしいし、伝える側も意識してもらいたいものです。
患者も歯科衛生士も「抜歯する覚悟」と同様「歯を残す覚悟」が必要です。
歯科医師の人生でも歯科衛生士の人生でもありません。
患者の人生の「今」と「将来」を真剣に向き合う歯科衛生士が増えることを私は期待します。
院長 島田 実
ページを見る
ピンピンコロリ
2017年02月5日
長野県から生まれた「ピンピンコロリ (PPK) 」。余生を有意義に過ごしコロッと亡くなるという意味だそうです。ただ現状、このピンピンコロリが実現出来るのは10人に1人とか。
このような、生き方ができる重要な鍵は、“歯”であり、もっと言うと“咀嚼力(そしゃくりょく)”であると考えます。健康寿命を延ばす上で「よく噛めること」はとても重要です。
歯科治療において治療方法を選択する際、「もう何年生きるかわからんし…」と呟く方がいます。10人に1人しかピンピンコロリが実現出来ないからと諦めて後ろ向きな選択をし続けるか、命絶えるその前日までピンピン元気でいることを前提に前向きな選択をするのか。個々の考え方次第です。
私もピンピンコロリが理想だと思いますし、自分もそうありたいと思います。
患者さんとしても1歳でも1日でも健康でありたいと願う健康意識の高い方を応援したくなるものです。
健康であるために、互いに日々前向きに歩みましょう。
院長 島田 実
ページを見る