歯科健診は何のため!?
2017年01月10日
1歳半健診や3歳児健診にて歯科検診を担当するとその意義について考えることがあります。
厚生労働省は「う蝕予防の取り組み」の一貫としていますが、私は検診により幼児期に歯科医師による診察を受けることで、今後、問題になるうる病気の種があれば、それをいち早く見つけ、改善の為に前向きに取り組んで頂けるようキッカケづくりをするが最も重要な役割だと思っています。
このように検診に関わる歯科医師、歯科衛生士は携わる以上、自分なりの信念を持ち、患者と接していることと思います。
しかし先日、3歳児検診にて子どもの「反対咬合」について相談した母親に対し、担当した歯科衛生士から、とても適切とは言えない助言を受けた話を耳にしました。
歯科検診で受けた「反対咬合」という診断。歯科医師からは早めの受診を勧められたようですが、歯科衛生士からは「大人の歯に生え代わってからでいいですよ」「小さいうちに歯医者に行って歯医者嫌いになってもイヤでしょ」と言われたそうです。
この話が本当なら無責任で呆れます。
咬み合わせの異常の中でも「反対咬合」や「交叉咬合」といった上顎と下顎の関係異常はなるべく早くに改善すべき問題です。早ければ早いほど、治療も簡単でお子さんへの負担も少なく治療が可能であることがほとんどです。
お口の中の問題はその多くが“必要なタイミング”で“適切な治療をすること”で“簡単に解決できること”がたくさんあります。それぞれ担当者が自身の立場をよく考え、患者さんがよりよい方向へと歩むことの出来るような共通認識の元、検診を行うべきだと強く感じます。
院長 島田 実