崖端の自覚
2016年10月20日
“ただ、穴を埋める”。
“ただ、補修する”。
そういうものではない。
何でもかんでも「やればいいというものではない」と私は思います。
そんなその場限りのことをしていて通用するほど甘くないのです。
同じ歯を、5回治療を繰り返すと「抜歯」に至ると言われている事をご存じですか?
つまり、1回1回の判断の重さを実感して、慎重に治療する必要があります。
日々の診療の中で緊急性の患者は安易に診療されているし、歯科医は安易に診療していると強く感じます。
「歯を抜き、部分入れ歯を使い始めること」を「咬合崩壊を前提とする治療」=「崖からの転落」とするならば、安易な治療の繰り返しは、まるで崖に背を向けそのまま後ろ向きに歩くのと同じです。
理想は危険を回避する手段を選ぶ事ですが、いつでも誰でもその選択が出来ない可能性があることもわかります。
だとすれば、せめて崖まであとどのくらい距離があるのか、現状を確認し、今後の対処の仕方を冷静に考えるべきです。
今何をすべきか。将来どうなりたいのか。
現実に目を背け、後ろ向きに歩き続けるのはあまりに危険です。
私たちとしては、これからも先の治療に追われることなく、10年20年先を見越した治療に向き合えるよう的確なサポートを致します。
院長 島田 実