元気なうちに歯の治療を
2016年08月17日
「これで良いのでしょうか?」
これまでの治療の経緯と歯科との関わり方に疑問を抱きます。
「こんな歯、あっても咬めないから抜いてくれ」と本人はそう吐き捨てるように言います。
とはいえ78歳でこれだけ多数の歯を抜くのはリスクも伴うことです。
出来ることなら私もしたくありません。
現在の状態になって当院を訪れるまでこの患者さんは何件もの歯科医院で
“部分入れ歯”を作っては使えず、転院を繰り返してこられました。
健全な歯を残しての治療(部分入れ歯)でさえ上手くいかないのに、
本人が言う「こんな歯」を残して行う治療(部分入れ歯)は上手くいくはずがありません。
結局、残る全ての歯を抜き、“総入れ歯”を作ることにしました。
この患者さんにとってこの状況はある日突然訪れたのではなく、
10年前には予測出来たことなのです。
つまり、68歳時点で治療を理解し、治療を行っておくことで
今こんなに大変な思いをせずに良かったわけですし、
治療の結果も今より良かったはずです。
「もうこの年だから治療しなくていいわ…」と弱気にならず、
「今のうちに治しておこう」と余生の人生をより良くしようと前向きになって頂ける方が
1人でも多くなることを願います。
その為には、信頼できるかかりつけの歯科医院を持ち、生涯に渡り自分のお口の為に、
検診等でプロの意見を聞きながら管理することをお勧めします。
そして元気な時に、適切な治療を受けることが望ましいのです。
院長 島田 実