Vol.4:心あるインプラント治療家
2016年04月13日
私共の医院ではインプラント手術においては事前にCTにてシュミレーションを行い、どのようなインプラントを入れるかそのサイズや長さを予め決めた上で手術に臨みます。
とはいえ、実際の条件によっては予定を変更することもありますので予定するインプラントの他にいかなる状況にも対応出来るよう3~4本のバックアップ用のインプラントを用意します。
先日、インプラントの補充をしようと奥歯のインプラント治療で最も必要な径が4.8㎜のWN-SLActive10㎜というインプラントを注文しようとしたところ「欠品中」とのこと。
スイスから届くのに1週間程度かかるとのことです。
私は開業して以来17年、ずっとスイスのストローマン社のインプラントを使用していますが、このようなことはあまりありません。
残念だと思いましたが、次の瞬間「このインプラントだけ売れている」とのメーカーの方からの返答に、良いことであると考え直しました。
なぜなら、この出来事はインプラントが私が願う本来の使われ方としてのニーズが高まる結果であると感じたからです。
世の中には乱暴に抜けたところに、ただインプラントを入れるという困ったケースが多発しています。
「とにかくインプラントを入れればいい」と、奥歯が抜けたのにも関わらず、細いインプラントを入れて力不足といったケースもよく見かけます。
インプラントを入れる最大の目的は「咬合再建」です。
前歯の美しさを追求したインプラントももちろん重要ですが、ベースとなる奥歯と咬合が安定しないと砂の上の楼閣に過ぎません。
奥歯が抜けたのであればそれに代わるふさわしい径の大きなインプラントが必要なのです。
安定した咬合再建を行う上で不可欠なこのインプラントが沢山売れているということはインプラントに携わる者としては良い方向性であると確信しています。
“心あるインプラント治療家”が増えることを期待します。
院長 島田 実