Vol.1:10年後、『ここで治療してよかった』と言われる歯科治療を ~HPタイトルの真意~
2016年04月10日
HPタイトルは、私たち常日頃、患者さんとお話する際、頭の中にある思いをHPのメインテーマに込めたいとスタッフ全員で考えました。
歯科治療において、今、その治療が適切かどうかの判断が10年後の自分に大きく影響します。
私共の医院は、応急処置以外の本格的な治療の前にカウンセリングを何度か行います。歯の治療は1度限り、絶対にやり直しが出来ないことがほとんどです。患者さんとの話合う機会を設けることは、もっと考えた上での最良の歯科治療を受けて欲しい…そんな思いからです。
私は、歯科医はただ虫歯を削って詰めるというコンベンショナルな仕事ではないと考えます。歯の治療が不適切であることが歯を悪くするのです。
『安易に歯の治療を受けないこと』。これは皆さんに声を大にしてお願いしたいことです。
治療を進める上で問題に対する原因や治療計画、最終ゴールが見えないままやみくもに歯を削ったりするのは非常に危険です。
具体的な例を挙げます。
歯を1本抜歯したところにインプラントを入れることになりました。しかし他の残る歯もいつ抜歯になってもおかしくない状態です。
つまり、抜けそうな27本の歯の中に1本インプラントをするということです。
そんな馬鹿な話があるか??と思われるかもしれませんが、現状、そう珍しい話ではありません。そしてこの場合、一番の問題は患者自身がそういう状態であることをわかっていないことです。
私は患者のすぐ背中に崖があるのにそれを無視して送り出すことは出来ません。まず崖があることをお知らせし、回避する方法を教えるのが務めであると考えます。
後輩がこんなことをブログで書いてました…『心ある治療をすべきだ』と。
正しくこの通りだと思います。
そのために必要なのはカウンセリングです。
ご自身の現状に向き合い、今後を見つめ直す機会を設けることが治療を進める上で不可欠です。
理解し、納得した上で治療を行う。 そして10年のお付き合いの後、『ここで治療して良かった』と感じて頂けますように。
院長 島田 実